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吊るし上げ

吊るし上げの説明

吊し上げ(つるしあげ)とは、集団で強圧的、威圧的な態度、言動によって相手を萎縮させること。何らかの集団的欲求を権限を持つ相手に飲ませたり、又は特定個人の非を認めさせる為に行われるが、威圧行為を含むことから不当な要求を飲ませたり、冤罪の発生する傾向を含む。

概要

吊し上げでは、自分たちの主張を受け入れさせるために集団で威圧する行為であり、「政治家がTV局幹部を呼んで吊し上げる」「一般職員が集団で管理者を吊し上げる」といったような場面で使われる。

しばしば民主主義(ないし多数決主義)においては、議論の場において不祥事の責任者を詰問する場合も「吊し上げ」に近い状態ともなるが、こと多数決主義的な場では少数派を糾弾するためにも行われる傾向があり、問題となる。

各々が個人の資質で相手の非を詰る場合は双方が対等であることから、余程片方が気弱だということでもなければ議論によって正しい結果が導かれることも期待できるが、吊し上げ状態では数の上での非対称性が数の上で劣る側を劣勢とさせ易く、民主主義的視点から言えば賛同者を多く集めた側が正しいとも言えるのであろうが、単に金銭授受や利害関係の一致などで団結している集団の場合には、劣勢側が正しくても不当な要求がまかり通る危険性が含まれる。

尚日本では不祥事や疑獄事件等の場合にしばしば報道(マスメディア)が「大衆の意見(世論)」を代弁、各々の記者が関係者を糾弾することがある。この際に報道被害が発生する場合も有るが、これも吊し上げの負の側面と見ることができる。

擬似的な吊し上げ

この吊し上げであるが、擬似的に行われる場合も有る。圧迫面接と呼ばれる面接方法がそれで、面接官が寄ってたかって面接者を詰問攻めにするというものである。これはクレーム等で威圧的な相手と対峙した場合に、萎縮して一方的に譲歩してしまわないようロールプレイするという意図もあり、1990年代中頃に盛んに行われた。

尚圧迫面接では本来では失礼にあたるような質問が事前に用意されて意図して投げ掛けられ、これにそつなく応答することが求められる。不快感をあらわにしたり、感情的になった場合は失敗である。

インターネット上の過去の例

インターネット上の電子掲示板やブログ等では2000年代中頃から、「炎上」や「祭り」等と呼ばれる現象が報道でもしばしば取り上げられるようになった。これらは、不特定多数が公人・私人を問わず問題発言(失言や舌禍)に際して激しく非難されることだが、こと対企業の事件(不祥事等)では直接的な被害はおろか、間接的に損害を被っているかどうかも怪しい者も便乗して非難する側に回って騒ぎ立てる現象がみられ、これも一種の吊し上げの一形態とみなすことができる。

例えば2002年に発生した福岡猫虐待事件では犯人男性が意図的に他人を不快にさせようとして仔猫を動物虐待で死に至らしめ、これで不快感を被った側が男性をインターネット上で追及、事件の拡大と共に男性の行為を聞き及んだ側も男性に不快感を抱いて、又男性も自己弁護の為に嘘をつくなどした為に不信感・不快感が爆発、徹底的な追及が成されて果ては同男性の学生時代などの写真が流布されるなどしている。

その一方で、私人の個人情報を掲示板等に公開して中傷する・いじめの様子を撮影して公開するといった「ネットいじめ」という問題も2000年代中頃から顕著化、中高生等が学校外部で学校関連の掲示板に中傷書き込みをするという事件も見られる。こういった事件では書き込みをした当人に精神的苦痛を理由に民事訴訟が起こされるケースもあったが、2007年4月には削除に応じなかった掲示板管理者が逮捕されるという事件も報じられている。

こういった現象は既に1990年代初頭のパソコン通信の時代にも見られなかったわけではないが、インターネットが一般に受け入れられメディアとしての地位を築いていったことから、問題も社会的なもの(社会問題)として認識されるようになっていった。

インターネット上においては粘着等と呼ばれる者も存在し、インターネット上での自己表現の延長で、他人を論うことに何かを見出してしまった者も見られる。粘着と呼ばれる側がソックパペット等で誰かを叩くと、逆に粘着側が寄ってたかって叩かれ、旧悪を含めて暴露されて吊るし上げられると言う現象も、2ちゃんねる等を中心に見受けられる。この食物連鎖にも似た奇妙な構造は、インターネット上の負の文化ともみなされており、不毛な罵り合いを諌めるネチケットやガイドラインも方々で見出せる。

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