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あやしいわーるど

あやしいわーるどの説明

あやしいわーるどは、かつて日本最大であったアンダーグラウンドサイト群で多数の匿名チャットなどから成り立つ。ぁゃιぃわーるどと記載される事も多い。当初の開設者は芝雅之(ハンドル「しば」)。日本インターネット黎明期におけるアンダーグラウンドサイトの嚆矢とされる。

チャットの形態

Minibbsと呼ばれる、ネットサーフレスキューが作ったCGI掲示板を改造して使っている。再配布も行っている管理人が居るが、許可の有無については不明。 Minibbsのバージョンは古く、Ver3.xx。スレッド型の掲示板ではない。あやしいわーるど各チャットでの利用方法は、あやしいわーるど@りみくすなどを除き非常に特殊で、掲示板システムをチャットとして使っている。複数行書けるチャット、と考えた方が自然といえる。元々のシステムが「掲示板」であったため、掲示板だと勘違いしている利用者が多い。

スレッドがないため基本的に投稿画面が1つしかなく、複数の話題を同時に進行する事は難しい。(@りみくす等を除く)

2ちゃんねるとの確執

2ちゃんねるの規模があやしいわーるどに比べてあまりにも巨大になり過ぎたため、ギコ猫やツンデレなど、あやしいわーるど発祥のマスコットや各種アスキーアート、スラング、「半年ROM」などを「2ちゃんねる発祥」だと誤解する者が多くなり、こうしたことから「パクリ文化で成り立った上に、あやしいわーるど発祥の文化を我が物顔で語るな」といった住人の憤慨が絶えない[1]。

もっとも、対立していると考えているのはあやしいわーるど利用者のみであり、当の2ちゃんねる利用者はあやしいわーるどの存在すら知らない事が多い。利用者の数も桁違いであり、単にあやしいわーるど利用者が対立意識を持っているという事に他ならない。

現在の2chに代表される中央集権型管理システムを持った掲示板は日本の官僚システムや、中央サーバが全ユーザーの管理を行うハイブリッド型P2Pファイル共有ソフトWinMX等の構造と酷似しており、特定の話題についての検索や話の流れを追うことはすばやく行えるが、中央にダメージがあったときに全体が麻痺する。そのため現在の2chは完全な自治と完全なログに守られた空間であり、もはや自由な匿名掲示板とは言い難い。

この点であやしいわーるどは、初代管理人であった「しば」の引退後は特に、複数の管理人が独自に運営する複数のチャットの集合体となり、それぞれの管理人の個性が反映されたチャットまたは掲示板を利用者が好みで選べる形式へと変貌した。良い意味で捉えれば無政府状態で、中央サーバを持たずにP2Pによってネットワークが形成されるファイル共有ソフトWinnyと同じ構造を持っており、官公庁の干渉や局地的アクセス攻撃にも耐えられる形態をなしている。そのためあやしいわーるどは、他の匿名掲示板と比べて壊れにくいと言える。

逆に考えれば既にあやしいわーるどというコミュニティは形骸化している事になる。管理方針は一定ではなく各掲示板の管理者の思惑のみに依存しているため、管理人の嫌いな言葉を吐いた・匿名で書き込んでいる管理者を煽った等の理由でプロバイダごと永久BANされる事も珍しくない。

コミュニティとしてのあやしいわーるど

あやしいわーるどには、掲示板以外にもさまざまなコミュニティが存在する。主なものとしては、iRC(あやしいわーるど@iRC)やメーリングリストがあげられる。基本的にあやしいブランドは誰でも自由に使用できるため、さまざまな人が「あやしい」の名のもとに気軽にコミュニティを開設・運営している。

あやしいブランドの名を持つコミュニティの最大の特徴は、規律がないことである。掲示板に限らず日本のインターネットコミュニティでは、投稿の作法から始まって言葉遣いにいたるまで多種多様なルール・制約をユーザー同士で制定し、それをお互いに遵守すること自体がコミュニティの目的の1つとなっているが、あやしいのコミュニティでは基本的にそのような制約は存在しない。例えばネットゲームのコミュニティでも、日本のネットゲームコミュニティでよく見られるような、「対戦ではこういった戦略は使わない」などのルールや縛りは存在せず、各自が好き勝手に動いている。

なお、このような小規模なコミュニティを円滑に開設し、運営、活動、消滅できるように、あやしいわーるどではREMIXという掲示板作成システムが広く利用されている。REMIXは掲示板参加者が好きなトピック(話題)ごとの掲示板を自由に作成でき、書き込みが増えれば常時REMIX上で閲覧できるが、人気がない板はやがて消滅するという、トピック形式による掲示板のシステムをあやしいわーるどに応用したものである。例えば海外製ネットゲームCounter-Strike(CS)やAge of Empires(AoC)などには「CS班」「AoC班」などの掲示板が作られ、それぞれにコミュニティが存在し、各々が適当に活動を行っている。

あやしいわーるどにおける感情表現

あやしいわーるどグループではヽ(´ー`)ノという顔文字が多用される。喜怒哀楽の喜・楽に属する投稿には必ずと言って良いほど、文末で用いられてきた。近年行われたログサルベージの結果、1995年8月26日にセンターネットという草の根BBSの「ゲストさん一言2号館」へ書き込まれたヽ( ´ー`)ノ が発祥と考えられている。 その翌月から出現したゲストのハンドル名「あれれ」が複数回用いている事などから、最初の書き込み主は彼ではないかと推測されるが、もはや立証する手段はない。

尚、2008年現在では「ヽ(´ー`)ノ」ではなく「(;´Д`)」の使用率がもっとも高くなっている。

あやしいわーるどのソウルフード

外食チェーンである餃子の王将があやしいわーるど住人共通のソウルフードとなっていることに異を唱える者はあまり居ない。2000年ごろからあやしいわーるどIIを中心に盛んに話題となる。深夜帯など、低調時(投稿が少ない状態)には「将」「王」「の」「子」「餃」といった文字を順番に一文字ずつ投稿し、本人の投稿のみでこれが連続するとミッション完了という余興も存在する。さらに忘れてはならないのが、あやしいわーるど公式スナックとして名高いキャベツ太郎(通称:キャベシ太郎)である。良心的な値段・質・量、コミカルなキャラクター、駄菓子の持つサブカル的雰囲気などが相まってネタとしての魅力を引き立たせ、爆発的な人気を呼んだ。あやしいわーるど内のネタ投稿としてはもちろんのこと、写真をアップロードするときにも、ネタのアクセントとして被写体に含まれることも多い。

アングラとあやしいわーるど

Warez
有料ソフトウェアや音楽ファイル等をネットワークを通じて不正にネットユーザー同士が交換・取得する事を一般にWarezと呼ぶが、この言葉が海外から伝わってきた日本のインターネット創成期において随一のアンダーグラウンド系掲示板と呼ばれ、日常的にハッキング等について書き込みが行われていたあやしいわーるどにおいても、Warezは地下活動的活動の1つとして多く話題にされた。
しかし現在のあやしいわーるどにおいては、一部の利用者が設置したWinMXサーバーやftpサーバーの利用によるWarezが小規模に行われる程度である。現在でも、Warez関連の書き込みに対する利用者の反応は他の掲示板に比べると寛容であるが、かつてのように日常的な話題としてWarezについて書き込まれることはあまりない。
ただし、これはあやしいわーるどだけの傾向ではない。あやしいわーるどに限らず、現在の日本のウェブでは、Warez文化がかつてのように盛況を極めておらず、アンダーグラウンド全盛期に比べれば、WarezのWebPageはほぼ皆無と言っていいほどに少ない。つまり、日本のWarezの中心はウェブから他へ移る形で発展しているといえる。

荒らし
1997年頃のあやしいわーるどにおいては、ハッキング等の話題の他に、掲示板荒らしについての話題も多かった。その中から、特に掲示板荒らしに興味を持つゲスッと称するグループが派生し、数多くの掲示板を荒らし回った事もあった。 一方で、荒らされた掲示板の利用者がそのままあやしいわーるど利用者になってしまったという笑えない話も数多い。

掲示板スクリプト

初めはレンタル掲示板を使っていた。 その後1998年頃にネットサーフレスキューのMinibbs(Ver.3)を使い始める。あまり拡張性を意識せずに設計された元スクリプトへレス機能や荒らし防止機能などを追加して次第に重くなり、2000年頃にフルリニューアルされるも、デザインは現在に至るまで踏襲される。

簡易的にスレッドを実装したスクリプトを使用するのが@りみくすと@りみ状で、完成度は@りみ状が遥かに高い。

あやしいわーるど利用者は「掲示板」であると考える事が多いが、実際はチャットとしての運用がほとんど。掲示板用のCGIスクリプトをチャットとして使っている。

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