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表現の自由

表現の自由の説明

表現の自由(ひょうげんのじゆう)とは、個々の言論活動を通じて、自己の人格を形成していくことと、政治的意思決定に関与していくという民主政に不可欠なこと、がある。この表現の自由は、精神的自由権の一種である。

概要

表現の自由の保障には、個々人が表現を通じて自己の人格を形成・発展させるという自己実現の価値と、個々人が表現を通じて政治的意思決定に関与するという自己統治の価値という2つの意義があるとされる。

民主主義にあっては、政治上の意思決定は終局的には市民によってなされることとなるが、適切な意思決定をなすには、その前提として十分な情報とそれに基づく議論が必要となる。情報を得、また議論をなすためには表現の自由は必要不可欠な権利である。いわば、表現の自由は、民主主義の根幹をなしているのである。

歴史

1689年の権利の章典など西欧の市民革命の中で勝ち取られてきた権利であり、1948年の世界人権宣言第21条、1976年の国際人権規約の「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(B規約)第19条第2項にも定められている。ただし同規約に於いては、表現の自由の行使は「特別の義務と責任」を持って為されなくてはならず、「他の者の権利、国の安全、公衆の健康や道徳の保護の目的のため、一定の制限を科すことができる」ことが明記されている。

日本では1946年の第3章 国民の権利及び義務として日本国憲法第21条第1項において「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」と規定されている。

表現の自由の内容

この自由は「思想・良心の自由」と一体を成すものである。“考える事だけは自由 意思表示・表現してはならない”では保障されているとは看做せない。

報道及び言論の自由
「報道の自由」および「言論の自由」を参照

創作の自由
表現の自由は報道の自由・言論の自由に限らず、芸術等の創作的活動に対しても幅広く認められるべきであるとされている。この場合は特に「創作の自由」と呼ばれることもある。政治的、社会的メッセージを明示的にあるいは暗に示した作品は数多く、芸術自体としても高い評価を受けた作品も少なくない。一方で、芸術的創作性の希薄なもの、例えば単にわいせつなだけのものや犯罪の手法等といったものに対して表現・創作の自由が認められるべきかどうかについては議論の対象となっており、しばしば裁判で争われることがある。

広告・宣伝の自由
営利を目的とする広告・宣伝の自由についても、基本的に表現の自由の一つとして保障されるものと解される。一方で、これらは経済的な私利のみを目的とするため、それなりに合理的な理由があれば制限が認められるとも解される。諸々の法律で規定されている誇大広告の禁止などはその例である。 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律第7条は、医業類似行為の施術者の氏名や、施術所の所在地・電話番号といった形式的な情報の提示を除く一切の広告を禁じているが、このような広告の制限は公共の福祉を図るためのものであり、表現の自由の侵害ではないとした判例がある[1]。この結論に対して奥野健一と藤田八郎は反対している。

知る権利
表現の自由より派生した権利としては、「知る権利」がある。アイザイア・バーリンが著書「二つの自由の概念」で自由は積極的自由と消極的自由があると述べていることと同じく、国などに対して情報の提供を求める権利(積極的自由)と国民が国家の妨害を受けずに自由に情報を受取る権利(消極的自由)がある。 国などに対して情報の提供を求める権利としての知る権利は、国民主権の原理に直接に基礎付けられる。国民主権の重大な意味の一つに、「国政の最終決定権を国民が有すること」があるが、最終決定権の行使にはその前提として、判断の材料となる情報が与えられていなくてはならず、これを提供することは国の責務と考えられるからである。 以上のように、国民の知る権利は理論的に極めて重要な権利であるとされている。しかし、現実の場面にあって積極的権利としての知る権利の主張が認められることは少ない。この様な現実に対する各方面よりの批判を受けて情報公開法が制定されたが、「知る権利」を根拠とせず、また依然として公開の対象となる範囲が不十分であるなどの批判がされている。そのため、憲法を改正して、国の最高法規たる憲法に明記しようという主張もあるが、2005年11月28日自民党が発表した「新憲法草案」では、国民の権利としての「知る権利」は定められず、国の「説明責務」という規定に留まっている。 国民が自由に情報を受取る権利としての知る権利は、表現の自由に由来すると見ることも出来るが、国家による検閲の禁止からも導かれる。たとえ、表現の自由を保障したとしても、それを受取る側の受取る自由が確保されなければ無意味になるからである。この自由は、マスメディアの発達により情報の送り手と受け手の分離が著しくなった現代においては重要な権利であるが、近年のインターネットの普及により送り手側と受け手の分離は解消されつつある。

表現の自由の限界

表現の自由を巡る問題
表現の自由もまた、他の基本的人権同様にその濫用によって他者の人権を侵害してはならないと解されている。 表現の自由は、プライバシーと衝突する場合がある。報道において頻繁に問題となるがこれ以外でも、例えば三島由紀夫や柳美里の小説において、作者に近しい他者のプライバシーを暴露したとして訴訟を受け、これに対して表現の自由を主張して争った事例がある。 表現の自由と責任の関係も、特に創作活動においてしばしば議論の対象となる。創作物の影響を受けたと思われる者が何らかの問題を起こした場合[2]、実際に犯罪を犯した者だけでなく影響を及ぼした創作物の作者も罰するべきであるという意見や、青少年を健全な環境に置きこのような事件を未然に防ぐために暴力的・性的表現に対してあらかじめ制約を加えるべきであるという意見がしばしば見られる。しかし、そうした意見に対しては表現の自由は絶対不可侵であり(検閲の禁止)、また創作物の影響を立証する科学的な因果関係が確認されない限りは単なる責任転嫁に過ぎないという根強い反論がある。また、しばしば表現規制の根拠にされるメディアの犯罪への影響に関しては、強力効果論については、社会科学的にはクラッパーの提唱した限定効果論により否定されている。近年では、メディアが高度に発達した現代社会において表現の自由を制限することは困難であるという現実的視点や表現の自由を尊重する立場から、メディア・リテラシー教育やレイティング、販売区分(いわゆるゾーニング)の徹底を複合的に実施するべきであるという意見も広がっている。

寛容と表現
ホロコースト否認など人種差別などの特定の集団や個人に対する不寛容・排除を煽る言動(ヘイトスピーチ)は西ヨーロッパでは強く規制されている。このためムハンマド風刺漫画掲載問題においてもメディアにより大幅に対応が分かれた。 日本では、児童書『ちびくろサンボ』をめぐる黒人差別とされた表現改正問題が起きた。

「わいせつ」と表現
猥褻表現の取り締まりの理由は、もっぱら「善良の風俗を維持するため」とされてきた[3]。 刑法175条は「わいせつな文書、図画、その他の物を頒布し、販売し、又は公然と陳列した者は、2年以下の懲役又は250万円以下の罰金若しくは科料に処する。販売の目的でこれらを所持した者も、同様とする」と規定する。 判例は、一貫してわいせつ物頒布罪(刑法175条)が日本国憲法第21条に違反しないとする見解をとっている(最高裁判所大法廷判決昭和32年3月13日刑集11巻3号997ページ(チャタレー事件)及び最高裁判所大法廷判決昭和44年10月15日刑集23巻10号1239ページ(悪徳の栄え事件))。 一方、学界では、相対的わいせつ概念の法理が注目されている。これは、わいせつ物の規制は一応は妥当であるとしつつも、思想性や芸術性の高い文書については、わいせつ性が相対化され、規制の対象から除外されるという理論である。田中二郎判事が初めて提唱した。

準児童ポルノ
一部の意見として、「実在しない架空の人物の出演する作品といえども、児童ポルノ(個人的法益)に準じる『準児童ポルノ』として扱い、性道徳(社会的法益)の保護を理由として、これらが「わいせつ」に該当しない場合でも、法律により規制すべきだ」との主張も見られる。しかし、その主張は、法の目的、保護法益を混乱させているようである。

海外での動向
アメリカでは準児童ポルノを全面規制していたCPPAが、2002年に憲法修正第1条(言論、出版などの自由)違反で違憲判決されたものの、新たに施行されたPROTECT Act of 2003では、範囲を狭めて、最高裁が定義するわいせつの範疇に当てはまるものは、絵画や漫画なども規制対象としている[4][5][6][7][8]。実際に、PROTECT Act of 2003を適用したわいせつ児童ポルノ漫画所有の罪で逮捕者も出ている[9]

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